アフラ=マズダ Ahura Mazda (ペルシア語)
…「賢明なる主人」。
cf. アヴェスター語(ゾロアスター教の経典『アヴェスター』に用いられた言葉)のア
フラ ahur 「主人、主、神、支配者」とマズダ mazd 「賢明な」から。
ゾロアスター教成立以前から信仰された、ミトラ Mithra と一対の二大天空神の一
神の一つ(天使とも)。
アフラは、バラモン教や仏教、ヒンドゥー教のアシュラ(アスラ asura 阿修羅)に
通じる。これは、インドの『リグ=ヴェーダ』(B.C.1500年頃からB.C.900年頃まで
に成立)に登場する悪魔のこと。このアシュラがアフラとして最高神となり(マズダ
の形容句が付けられた理由?)、デーヴァ deva 「神」に対応するダエーヴァ daeva
が悪魔とされて逆転したのは、ゾロアスターによる宗教改革の結果であるとされる。
『新約聖書』中の「悪魔」「魔王」「堕天使」サタン Satan (ヘブライ語で「敵対者」
の意味)の天国での呼び名が、大天使ルシフェル Lucifer で、「明星」を意味したこ
とを想起する。
英語でオルマズド Ormazd 。